ウクライナ戦争の今だからこそ~宝塚歌劇団「王家に捧ぐ歌」
ロシアのウクライナ侵略が始まり2か月以上が経ちました。ロシアを非難することやウクライナが戦う事は当然として、ウクライナに平和が戻ることを願っています。
夢の空間といえる宝塚歌劇団が世界で戦争が起こり世界が混乱した時、「平和への祈り」をテーマにした演目を上演しているのをご存じでしょうか。
もちろん、偶然の一致ではないかという公演もありますが、初演と宙組再演は、まず間違いなく意識していると思います。
王家に捧ぐ歌
王家に捧ぐ歌はヴェルディのオペラ アイーダを原作として宝塚歌劇団が作ったミュージカルです。
王家に捧ぐ歌は過去5回上演されています。
2003年 星組 大劇場
2005年 星組 中日劇場
2015年 宙組 大劇場
2016年 宙組 博多座
2022年 星組 御園座(名古屋)
2003年は同年に始まったイラク戦争、2015年宙組は2014年のロシアのクリミア侵攻を受けての上演タイミングだったと考えられます。2022年の星組はロシアのウクライナ侵略が起こるとは考えていなかった時期に公演は決定されていますが、上演中にウクライナ侵略が始まってしまいました。
エンターテイメントであることの限界とできること
もちろん、ミュージカルの力で戦争を止めたりできないでしょうし、そんな綺麗ごとを!と言われるかもしれません。こんな事は宝塚歌劇団はよくよくわかっています。
宝塚歌劇団は神淡路大震災の時に
この大震災の中、被災者もいる中でエンターテイメントの意味とは?
と向き合う事を余儀なくされました。
私が以前書いた記事です。
何も意味はないのかもしれないけれど、エンターテイメントを仕事にしている宝塚歌劇団できるのは「平和への祈り」を歌い上げつつもエンターテイメントとして舞台を楽しんでもらう事しかないという祈りなのでしょう。
王家に捧ぐ歌のテーマ曲 世界に求むのラストはこんな歌詞になっています
そして、最後に多くのものを失ったアムネリスが呼びかける言葉が心を打ちます。
戦争を禁じる自らの命令を「虚しい」と知りつつも、「それでも」と明日への希望を呼びかけます。
どの公演がお勧めか
ブルーレイになっていないのですが、個人的好みで宙組博多座公演を推します。
https://tv.rakuten.co.jp/content/238844/
初演や星組の御園座も良いとは思うのですが、個人的には博多座版をお勧めします。
主要キャストの歌の安定感と、金ぴかゴージャスな衣装、舞台セット、さらに王様二人の貫禄で博多座版は一押しです。
そして、何といっても大抜擢されたアムネリス彩花まりさんのアムネリスに心を打たれました。
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