エリザベートをより深く楽しむ2~エリザベート上演の時代背景を考える
宝塚歌劇団人気演目のエリザベートがウィーンで初演された時代に遡って考えてみましょう。
エリザベートは破滅をもたらしたのか?
エリザベートの基本構造はハプスブルク帝国が滅んでいったというもので、エリザベートがハプスブルク家を崩壊させたとも読み取れるようになっています。そしてハプスブルク家の崩壊で第一次世界大戦、第二次世界大戦へと進むとも考える事ができます。
エリザベート=ハプスブルク家を崩壊させたわがまま娘
でも、
フランツとトートがエリザベートを愛してくれたよ、見守っていてくれたよ!
が話の基本と思っていたのが5年位前まで。
今はまた違う見方をしています。気が付いたのがパレード(フィナーレ)のエトワールの歌唱後に出てくる部分を聞いていた時です。つまりオーストリア=ハンガリー帝国成立の戴冠式の場面のエーアンエリザベートとほぼ同一部分です。そして、この戴冠式ではマクシミリアン死すにも思いを馳せてください。
私がCDから聞き取ったものなので間違いがあるかもしれません
注目したのは二か所
エーアンの箇所と対照してみると
古い楔(くびき)に別れ告げ → 古きに別れ告げ 又は くびきに分かれ告げ
二つの国の友情を→二人の友情
これがエリザベートの裏テーマなのではないかと感じています。
エリザベートの初演は東西冷戦終結直後の1993年
エリザベートがウィーンで初演されたのは1993年、エリザベートの構想は東西冷戦終と密接に関わっているのではないでしょうか?
古い楔とは東西冷戦の事で、東西冷戦という「楔」に別れを告げ、
「個々の国を尊重しながら中央ヨーロッパをもう一度作ろう!」
というメッセージにも取れます。そして個々の国を尊重したのがオーストリア=ハンガリー二重帝国ならば、今の中央ヨーロッパの姿をエリザベートが望んだとも言えるかもしれません。ハプスブルク帝国が崩壊し東西冷戦、冷戦終結を経て、中央ヨーロッパの明るい未来を望んだ演目なのかもしれません。
エリザベートの脚本家はチェコのプラハ生まれで、作曲家はハンガリーの作曲家なので、中央ヨーロッパの未来という視点はあってもおかしくないと思いました。
もうすこし、踏み込んだ解説をしたいので、オール・インタビューズ ミュージカル『エリザベート』はこうして生まれたを読みたいと思います。
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