ICM 1/72 MiG-25RBT キットレビュー1
今から45年位前に「ベレンコ中尉亡命事件」があったのをご存知ですか?1976年ソ連のMiG-25に乗ったベレンコ中尉が函館空港に強行着陸し亡命を求めた事件です。
その直後にベレンコ中尉が乗ってきたMiG-25のプラモデルをハセガワが出して、まーそれはそれは売れたそうです。
このキット以降もMiG-25はいくつかプラモデルが出ていますが、2021年現在最も新しく最も作りやすいMiG-25のプラモデルをご紹介しましょう。
ウクライナのICM社製
ウクライナも模型メーカーが多いのですが、目覚ましい品質向上を遂げているのがICMです。20年位前のICMのキットはなかなか曲者も多かったのですが、最近は素晴らしい品質になっています。
ウクライナの模型メーカーが発売するアイテムは「ウクライナ愛」にあふれたものが多いのですが、ICMはウクライナ偏重ではなく、旧ソ連やロシアの戦闘機のプラモデルをたくさん発売しています。
ICM公式HP
MiG-25RBTとは
ベレンコ中尉の載ってきた機体とは大幅に異なっている機体です。それも迎撃機型ではなく偵察機型です。偵察機型は後継機が無いので現在でも現役の機体です。
迎撃機型は後継のMiG-31に置き換えられています
キット内容
モールドはかなりシャープですね!。更にもう一枚
実に繊細かつシャープです。
目につくのは垂直尾翼が胴体後部と一体になっている事です。この構造のメリットは2枚の垂直尾翼が微妙に開いている機体でもばっちり角度を決める事が出来る事です。また、内部に「桁」になるパーツが含まれています。「桁」があると強度的にも組みやすさ的にも安心です。
主翼パーツです。
これも実にシャープ!惚れ惚れします。
足回りもとても精密にできています。主翼の上のフェンス(左側一番下)も、きちんと差し込みできるようになっていますね、ここがイモ付け(ピンなどがなくそのまま接着する方法)だと、組立が難しくなりますが、このキットはそんな事はありません。
感激したのがここ、脚はこまごま分割せずほとんど一体成型!細かく分割されると組み立てているうちに左右で微妙にずれて、機体が左右にどちらかに傾いてしまうという事が起こりやすいんですよね。
クリアーパーツです。透明度も十分です!
説明書
説明書はキリル文字が含まれる言語と英語表記です。キリル文字で書かれた文はウクライナ語なのかロシア語なのかも私にはチンプンカンプンで判別不可能です。説明書のイラストは設計時のCADデータから出力した画像がベースになっているようなので分かりやすいです。英語が読めなくてもまず問題ありません。
日本人がチェコやウクライナのキットを作るとき心配してしまうのが塗装指示に関してです。例えば darkgray とか英語で示してあって塗料の説明がないんじゃないか?と。
プラモデルの塗装指示
日本のメーカーの製品ですと、大多数はクレオスのMr.カラー/水性ホビーカラー+タミヤのエナメル/水性アクリルの表記になります。実際プラモデル塗装では、Mr.カラーが圧倒的なシェアを持っていると考えられます。日本で作るならできればクレオス、せめてタミヤの塗装ガイドは欲しい!というのはよくわかります。
塗料は自分で調合するもの!
塗料は自分の好きなものを選べばよい!グレーでもいろいろあるのがわからないのか?
実機写真をたくさん調べればいい!
という「正論」もわかりますし、その意見も否定しません。しかし、プラモデルが「娯楽」であって、プラモ「でも」作ろうって人にこの「正論」を押し付けるのはちょっと酷で暴力的な気がします。
スーパーマーケットに行ったら「ポン酢」でも「鍋用」とか「何々風味」とかあるでょ?家庭で使うものに、「ポン酢」は醤油と〇〇と何対何で混ぜるもの!とは大多数の人は言いませんよね(笑)
それにダークグレーといっても軍艦色2(Mr.カラー32)位なのか、ガンシップグレー(Mrカラー305)位なのかは知っておきたいという要望も良くわかります。
ではこのICMのMiG-25はどうなっているのか?
おお!タミヤの塗装指示があります。タミヤのキットもタミヤの塗料の塗装指示しかありませんから、タミヤの塗装指示位と思っておけば問題ありません。
第2回に続きます。
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