フサ プラハのための音楽1968 イーストマン・ウインド・アンサンブル
先日取り上げた「わが祖国」に関連する曲です。
この記事の中で少し触れたフサのプラハのための音楽1968をご紹介します。英語での表記はMusic for Prague 1968で、日本語表記は「プラハ1968のための音楽」、または「プラハのための音楽1968」です。
この曲は吹奏楽オリジナルの曲です。のちにオーケストラ版にも編曲されていますが、まずは吹奏楽版の演奏を聴く事をお勧めします。
Amazonプライムミュージックにもあったのでプライム会員の方は下のリンクの演奏一度聞いてみてもいいかもです。なお、お断りしておきますが、今回私がおすすめする演奏とは異なります。
(注)YoutubeにもCD音源と思われるものがあるのですが、著作権的に疑問なのでこのブログでは紹介していません。
フサとは?~チェコ生まれの作曲家
フサはチェコ生まれの作曲家です。チェコは有名作曲家が多いんです。最もチェコ的イメージの大きい作曲家といえばドヴォルザーク(「新世界」の作曲家)やスメタナ(わが祖国の作曲家)ですが、「通」ならヤナーチェクかもしれませんね。
フサは1954年にアメリカに渡っています。1968年、「プラハの春」がワルシャワ条約機構軍により鎮圧された事件をきっかけに「プラハのための音楽1968」を作曲しました。スメタナの「わが祖国」でも取り上げられている「汝ら神の戦士」がテーマとなっています。チャイムはプラハの鐘の音を、スネア―ドラムは侵略者に警戒を呼び掛ける市民を描いています。この曲のラストはチャイムの音が残るのですが、チャイムの音が希望なのか絶望なのか怒りなのか・・・・・いろいろな感情が沸き起こります。
この「プラハのための音楽1968」は20世紀の吹奏楽曲としては最高峰の一つと言えます。この曲は「現代音楽」に属するもので、聞きやすいか?と言われるとそれほど聞きやすいとは言えないと答えます。吹奏楽コンクールでも頻繁に演奏されるのですが、カットされていたり最後の鐘の音が聞き取れなかったりするので、ライブではない通常の録音版をお勧めします。
イーストマンの1990年来日コンサート
この曲を全曲聞いたのは1990年のザ・シンフォニーホールでの演奏でした。イーストマン・ウインド・アンサンブルでの来日公演です。前半のラストとして演奏されたのがこの「プラハのための音楽1968」でした。まだ高校生だった私には難しい内容ともいえる曲だったのですが、それでも感動しました。 高校生だからこの曲わからんよねとか言ってはいけないですよね(笑)、ガンダムの富野さんじゃないですけど「てめえら、高校生なめてないか」と言われそうです。
このコンサート全体としては私が体験した舞台芸術関係ではこの8年間3位です。8年前まで2位だったのですが、8年前に宝塚歌劇団宙組の「翼ある人びと」が2位になったのです。「翼ある人びと」もブラームスが主役なので、ブラームスとドヴォルザークの関係を考えると感慨深いです。チェコ絡み多いなぁと。1位はクーベリックの「わが祖国」です
コンサートも良かったのですが、「プラハのための音楽1968」だけに限ればこの録音を聞く方が好きなんです。理由はこの曲の最後のチャイムの音を堪能できるからです。コンサートだとどうしてもOBSの声で余韻を楽しめないんです。
OBS?=オオサカ・ブラボー・サービス、曲が終わったら間髪入れずに「ブラボー!」って叫ぶ人たちです。東京ではTBS(トーキョー・ブラボー・サービス)と呼びます。
プラハのための音楽1968の聞き方
23分程度の曲なので、全部聞いてほしい!と言いたいのですが、口ずさめるメロディーも少なく、前半3曲はちょっと退屈するかもしれません。そこで聞き方は第3曲間奏曲(Interlude)の3分位から第4曲トッカータとコラール(Toccata and Chorale)を続けて聞くことをおすすめします。第3曲第4曲は連続で演奏されます。配信の場合切れてしまう事があるのですが、是非連続で聞けるようにしてください。
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