あのシベリア鉄道でも大活躍! チェコのシュコダ社の車両について

チェコはオーストリア・ハンガリー帝国時代から世界指折りの工業国として知られています。当然のことながら鉄道車両も数多く製造され、数々の名車が誕生しました。チェコのみならず世界で最も有名な鉄道車両メーカーがシュコダ社です。今回はシュコダ社製の車両を取り上げます。

数々の名車を製造したシュコダ社の略歴

シュコダ社はオーストリア帝国時代の19世紀半ばに創設され、数々の鉄道車両を製造しました。長き歴史の中で社名変更や数多くのグループ会社を抱える巨大企業になりました。現在、鉄道車両の製造部門は「シュコダ・トランスポーテーション」を名乗り、チェコ西部の街プルゼニュにあります。

本来ならば過去も含めて正式な社名を記載すればいいのでしょうが、面倒なのでこの記事では「シュコダ社」で統一したいと思います。シュコダ社は高い技術力を誇り、自前で交流気動車やチョッパ制御車、インバーター制御車を製造してきました。

第二次世界大戦後の共産主義時代ではコメコン(経済相互援助会議)による経済ネットワークにより、チェコスロバキア(当時)は電気機関車の製造国に指定されました。そのためシュコダ社でも数多くの電気機関車が製造され、ソ連をはじめとするコメコン諸国に輸出されました。

民主化後は国営会社から民間会社になったものの、輸送需要の減少や技術的な停滞により苦戦が続きました。1995年に鉄道製造部門が分社化され、2004年に社名を「シュコダ・トランスポーテーション」に改名。現在では息を吹き返し、中東欧のみならず西欧にも鉄道車両を輸出しています。

今後は安価で国際競争力の強い鉄道製造国のひとつが中国との対決になると思います。西欧だけでなく意外な国でシュコダ社の車両が見られるかもしれません。

シベリア鉄道で大活躍するシュコダの電気機関車

シュコダ社が製造した代表的な交流電気機関車がChS4T(чс4Т)型です。ChS4型は1970年代から1980年代に製造され、広軌1520mmのソ連に輸出されました。製造数は500両を超えています。

ChS4T型はChS4型の改良版になります。ChS4型はFRP製の車体を採用していましたが、電磁放射が伝わるために乗務員に悪影響を与えていました。そこでChS4T型ではプラスチック製ではなく鋼鉄車になり、電気部品にもいくつかの変更点が加えられています。

ボディは日本のEF66型のようなスタイルに。設計最高速度は時速160キロになっています。長年にわたりシベリア鉄道をはじめとするソ連の鉄路で活躍しましたが、ロシアを中心に廃車が進んでいます。

チェコの主力近郊型電車「シティエレファント」

チェコ鉄道に乗ると必ずと言っていいほど2階建ての近郊電車に出会うことでしょう。この車両は「シティエレファント」といい、2000年にデビューしました。「シティエレファント」はロングセラー車両になり、10年以上にわたって製造されました。

従来車の最高速度が時速100キロに対し、「シティエレファント」は最高時速160キロを誇ります。登場後、次々と従来車を置き換え、現在では近郊輸送の主役になっています。車両寿命は40年なので、これからも活躍を続けることでしょう。

チェコ以外ではバルト3国のリトアニアやスロバキアなどで活躍しています。リトアニアは旧ソ連に属していたので、リトアニア鉄道の軌間は1520mmです。そのためチェコの車両よりもずいぶん大きく見えます。

本当は第二次世界大戦直後に製造された釣掛式気動車M262形なども紹介したいのですが、私が乗車したことがないので今回はこのへんで。これからもシュコダ社の新車両に注目したいと思います。

投稿者プロフィール

nitta
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新田浩之(にったひろし)、1987年神戸市生まれ。神戸大学国際文化学研究科修了。2018年にチェコ政府観光局公認「チェコ親善アンバサダー」に就任。普段はライターとして関西の鉄道や中東欧・ロシアの鉄道や歴史などを書く。講演なども手掛ける。著書『ロシア・ヨーロッパの鉄道旅行について書いてみた』

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