プラモデルの作り方と歴史のおさらい~チェコとプラモデル 序文3

エデュアルドをはじめプラモデルメーカーが多数存在するチェコのプラモデル黎明期に迫ってみたいと思います。

その前に「プラモデル」と「プラモデルメーカー」とは何なのかを少し解説しておきましょう。特に「金型」は譲渡されるもので、同じ金型でも別ブランドで発売される事もあります。

参考資料

 日本懐かしプラモデル大全 岸川靖

 模型のメディア論 松井広志

前回記事

プラモデルはどうやって作るのか?

まず、基本的な事から解説します。プラモデルの事情に詳しい方は飛ばしてください。

一般的なプラモデルはPS樹脂パーツがメインとし、デカール(シール)、説明書などを加えて、箱詰めしたものです。PS樹脂パーツは「金型」という金属製の型にPS(ポリスチレン)樹脂を高い圧力で押し込み製造(射出成型)します。

金型は高価

通常「金型」は鋼材でできています。プラモデル以外の鋼材の金型は通常100万回位までは使用できるといわれています。プラモデルというのは繊細なので何回利用できるのか実際はよくわかりませんが、それでも10万回位は余裕で使えると言われています。「簡易金型」というのは鋼材ではなく別の素材を使用した金型で、簡易金型でもっとも一般的な素材はアルミです。耐久性は鋼材に劣りますが、加工性に優れ製造コストが低くなるのが特徴です。

金型は今も昔もなかなかのお値段でして、4000円位のプラモデルを製造している鋼材の金型なら、ベンツクラスの高級車からちょっとした家が建つ場合もある値段だと理解しておいてください。

プラモデルはPS樹脂のパーツだけでなくデカールなども含みますので、新製品=新金型とは限りません。「新金型」と表記されている場合、既存の金型を使った製品ではないという意味です。英語では新金型=NEW TOOLと表記されます。

プラモデル製造は分業制

現在の日本でもプラモデル製造は分業制です。箱や説明書などの印刷物やデカールは外注が特に多いですが、PSパーツに限っても他社に委託している場合があります。PSパーツと言っても設計・金型・成型は別工程です。

プラモデルの製造販売を細分化するとこうなります

A 企画・販売

B パッケージング(箱詰め)

C 設計(現在なら3DCAD)

D 金型製造

F 射出成型

プラモデルメーカーは通常Aを指し、made in 〇〇の〇〇は一般的にはBを行った国となるはずです。タミヤのプラモデルでもフィリピン産はmade in Philippinesです。

タミヤの1/48 零式艦上戦闘機のパッケージ
made in Philippines

重要なのは設計、金型製造、射出成型は別会社であることが多い事です。

20年ほど前までは更に設計と金型製造の間に「木型」というものもありました。参考までに一昔前までの日本の某社の某木型氏さんは滋賀県在住でした。滋賀県人の自慢w

他にも他社のPSパーツをバルク(パッケージに詰めずにパーツのまま)で購入して、独自のデカールやエッチングパーツを追加して自社ブランドで売る事もよくあります。

エデュアルド製のF-104だが、プラパーツはハセガワ製。恐らくハセガワがバルクでエデュアルドに売却したパーツ。

プラモデルの型は売買されたりもする

プラモデルの金型は譲渡されることや、いろいろな大人の事情で持ち主が変わることもあります。一番分かりやすいのが倒産したメーカーの金型です。

例えば

イマイ→アオシマ

エッシー→イタレリ

などです。模型メーカーが健在でも金型だけ持ち主が変わることもあります。

日本ではあまり金型の譲渡は一般的ではないのですが、欧米のメーカーですと比較的頻繁に金型が他社に譲渡されています。

プラモデルの歴史

プラスチック素材にした組み立て式模型=プラスチックモデルキット=プラモデルは1936年イギリスのフロッグ社が開発したと言われています。元々はイギリス軍が敵味方識別用の模型をプラスチック素材で生産していた技術を応用したものでした、参考までにウォーターラインシリーズなどの洋上模型のルーツも敵味方識別用模型です。

1950年代にはイギリスのエアフィックス、アメリカのレベル、オーロラ、フランスのエレールなどのメーカーがプラモデル製造を開始しています。

ここで押さえておいていただきたいのは、このプラモデルメーカーはあくまで企画・販売であってプラモデルの金型製造を行った企業や、射出成型を行った企業とは別である事です。一番わかりやすいのがレベル社で日本でも昭和28年(1953年)大阪の東大阪に射出成型機と金型が持ち込まれてプラモデルの製造がおこなわれていたのです(「日本懐かしプラモデル大全」P100より)。つまり1950年代のレベル社のプラモデルの一部の射出成型は日本で行われていたのです(パッケージングは不明)。

そういえば、模型のメディア論でも日本初のプラモデルは布施市となっています。

余談~布施のプラモデル

元々布施が日本のプラモデル発祥の地という説は「模型のメディア論」で知りました私の妻は布施出身なので、親しみが沸きました。参考までに私のオリジナル商品のステンレス製金属脚は東大阪産です。

https://maidomailbox.theshop.jp/

投稿者プロフィール

まいど! maido
まいど! maido
模型工房M代表。
模型好き。カメラ好き。宝塚歌劇好き。
各模型雑誌で掲載多数。
艦船模型、飛行機模型、AFV模型などプラモデル全般の制作代行も承っております。

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